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2011年 04月 29日

ナミビア2 :1997年8月~2000年9月 砂丘、送電線、大西洋 Nambia

ナミビア2 :1997年8月~2000年9月 砂丘、送電線、大西洋 Nambia_a0183811_021885.jpg

朝早く起きた。砂漠での行動は10時までが限界と聞いていたので出発も早かった。

道の両側は見上げるほどの高さのある砂山に変わっていった。道路の表面は固い。ソススフレイの駐車場まで来ると、既に先に到着した車が何台も駐車していた。

砂山の方向へ歩いて行った。次第に音の感覚が変わっていった。音が吸収されて口から発した音が耳まで届きにくくなっている。つまり聞こえにくくなっているのは驚きだった。また、砂を掘り起こすと、ひんやりとして少しも暑く感じなかった。

3人でゆっくりと砂の稜線を歩いて行った。空の色と砂漠の臙脂色が対比を成し、生まれて以来、今までに経験したことがない世界が目前にあった。砂山の高い所まで来て見渡すとどこもかしこも砂原で際限なく続いていた。

緯度が高くなるに従い、光は明らかにシャープに変化する。同じように、砂漠でも光の質のようなものが違っている。光が眼に突き刺さるようだった。



ソススフレから海岸のウォルスビーをめざした。ウインドフックと海岸へ向かう道の分岐から車の数が極端に減った。対向車が全くなかった。両脇に家など皆無だった。150km以上の直線道路だった。道路の両脇に広がるのは砂漠でなく砂のない沙漠だった。月世界とはこのような景色なのではないかと思わせるものだった。妻は、ここで車が故障したら大変なことになることは間違いないと言った。

道路の高低差以外、何も変化なく本当の直線だった。高速で走っていると知らぬ間に少しだが何回もジャンプした。地図から大体の距離を検討し、そろそろ海岸に近くなってきたと思ったら、周りに砂の量がたちまち増えてきた。目の前の景色がまた砂の原へ急に変わった。送電線が海に向かって砂の上を延びていた。砂と送電線が目の前に次から次へと展開した。映画の中の一シーンにいるのでないかとも錯覚しそうだった。右手に砂に埋もれたよな家が次々と見えてきた。安部公房の「砂の女」の風景とは、このような景色ではなかったかと想像するうちに、やがて大西洋の青が見えてきた。

いい気分だった。そして大西洋の海岸線の道路に入った。



ウォルスビーを通り越してスワコブムントで投宿した。海流が冷たいせいだろうか、雲が発生しがちだった。次の日、ウインドフックへ向けて出発し、スワコブムントの町を振り返ると、その上空だけが雲に覆われていた。幹線道路を通りウインドフックに戻った。数日で走行距離が1500kmになった。幹線道路以外は全てラフロードだった。

ナミビアほど強烈な印象を持った旅はない。

ナミビア2 :1997年8月~2000年9月 砂丘、送電線、大西洋 Nambia_a0183811_024187.jpg




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by nshimaafrica | 2011-04-29 00:07 | ★溜まった妄想 | Comments(0)


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