オーストラリアでは、朝起きた時自分が今どこにいるのかわからない事が度々あった。ヨーロッパでない、アメリカではない、アフリカでないと頭の中でぐるぐる巡りながら、そうか、ここはオーストラリアなのだという風に行き着いた。
既にどこの町だったのか名前は思い出せない。2階建の宿から見た景色ははっきりと覚えている。確かゴールドコーストからサンシャインコーストへ行く途中の街だったかと思う。目の前には広い芝生と公園のような土地が見えた。公園には移動式遊園地があり、ぐるぐるまわるコーヒーカップの遊具が置いてあった。窓の側には、針葉樹が見え、樹の枝にはオウムの類のカラフルな鳥達が枝が曲がりそうになるくらいに留まっていた。夜、ビーチサンダルを履いて、隣のカジノに見えるビルを覗きに行った。入口近くが濡れていたがかまわず歩いて通り過ぎようとした時だった。ツルリと滑ってアゴをコンクリートの床にしたたか叩きつけた。漫画で表現されるように一瞬、星が舞った。鼻腔を酸っぱいような臭いが通りすぎていくように感じた。これはやばいのでは思ったが、たぶん脳震盪を起こしただけだったのかもしれない。あごから血を出しながら宿へ戻ると、妻と娘が日頃の行いが良くないからだと輪をかけて打ちのめしてきた。
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