海外に住むことになると必ず付いてまわるのが、衛星放送によるテレビ番組だった。その中の映画専門チャンネルのStar MovieやHBOの映画は、なくてはならないものだった。まめに放送予定を調べるわけでもないので、いつも映画ならとりあえず見て、続けてみるか止めるかを決めていた。日曜の夜だけ目玉の放送があることがわかっていたが、それ以外は全く予備知識なしに行き当たりばったりで見ていた。映画の名前も日本で付け替えたタイトルではなしに原題で意識している場合が多かった。
Dark City も同じように予備知識はなく、トリニダードにいた時にテレビで見た映画だった。SFで変な映画だなと思って見ていると独特の雰囲気がおもしろい。設定のアイデアはともかくとして、ひたすら暗い風景で物語りが進む。暗いことが「現実」であり、当然その背景理由がある。明るく夢のような(実際にも夢であるが)ビーチは映画の中でひたすら「希望」なのだ。映画を見る視点からすると、日常の延長線上にあの明るいビーチを見出し、だから救われたいという思いに繋がっていくのではと思える。
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