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2011年 12月 01日

マラウイ:警備会社に間違いで痛めつけられた使用人2 リロングウェ1997年8月~2000年9月 Malawi

デビットからよくよく話を聞いてみると、裏手の家から泥棒が塀を乗り越えて逃げてきたのが事の始まりだった。俺の借家の警備員が自分の所属する警備会社セキュリコへ通報し、しばらくして警備会社の連中が加勢にやって来た。敷地内の使用人住居の前で酔っ払っていたデビットを泥棒と見間違えボコボコに痛めつけた上で警察へ連れて行ったらしい。デビットは尋問され事情を説明しても全く信用してもらえず、後からArea3の住居に連れ戻され、部屋の中の椅子に紐で縛り付けられていた。しかし、隙を見て紐を解き鍵を使って俺の住んでいる建物の中へ裸足のまま逃げ込んで内側から鍵をかけて立てこもり一夜を過ごしたとのことだった。そこへ一日家を開けていた俺が帰ってきたという話の流れだった。

次の日、一緒に警察と警備会社へ行って抗議して欲しいとデビットが訴えかけてきた。俺の住んでいる敷地の中で警備会社がやりたい放題のことをやり、しかも使用人デビットも傷めつけられて何も連絡してこない警備会社や、デビットの言い分を聞かず警備会社のことだけを信じて尋問した警察にも腹が立った。

まず二人で警察へ行き抗議することにした。頭に来ていたのは警察署へ行く前までだった。警察署前の状況を見てしまうとこんな所ではきちんと物事が進むはずがないと思える光景だった。何でもありの空気が漂い、デビットに至っては借りてきた猫みたいな状態で怯えたような、卑屈になったような表情に豹変した。散々待たせられ鷹揚な態度の警察署職員が出てきた。終始何が不満なのかの調子だった。抗議をしたが、警察の対応に何の不備があったのか、どこまでもどこが悪いのか知らぬ存ぜぬの態度だった。遂にこれはどうにもならないと観念し、次は警備会社へ向かった。

あれだけ許せないと息巻いていたデビットも警察署の対応に怯えを抱いてしまい、警備会社の前では、後退りを始めるぐらいだった。警備会社の前には、警備員募集に応募するつもりの胡散臭い連中が二、三十人ほどたむろしていた。デビットを知っている男がいるらしくやんややんやとからかい始めた。デビットは、アイツらみんな元泥棒だと言った。中に入ると何が不満なのか、不満だったら契約を解除しても結構だからと警備会社の責任者は開き直った。契約を中止するなら一ヶ月分、余計に払うことになるからなどと抜かした。こんな会社に結構な金額を払って警備を頼んでいたのかと思うとため息が出た。どうでもいいからこんな所ともう関わりたくないと思った。

デビットは俺の無力さを感じ、更にデビットが自分自身の不甲斐なさを感じた事件で、マラウイのオドロオドロしさもまた感じた出来事だった。

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by nshimaafrica | 2011-12-01 17:09 | ★健康、病気、事故 | Comments(0)


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