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2012年 08月 11日

マラウイ:事務所の秘書 リロングウェ 1997年8月~2000年9月 Malawi

チャリティーは優秀な秘書だった。以前研究所のスタッフとして働いていたが、後発の日本人チームから引き抜かれたとのことだった。そのゆったりした所作は、最初の内いらつきもしたが次第に慣れて当たり前となり、たまに日本人が来るとその雰囲気が逆にせこせこしているように感じた。通勤は事務所が用意する公用車が、朝夕に町の借家と事務所間を送り迎えをすることが雇用する上での約束事に入っていた。それだけ重宝していたのだ。いつも机の端には聖書が置いてあり、繰り返し読まれたことが皮の表紙の擦れ具合で容易にわかった。但し、原理主義の頭かちかちでもなく極めて合理的な発想の持ち主だった。他の助手、運転手や研究所のスタッフも全然かなわないという雰囲気が漂っていた。そんな彼女も結婚には失敗しており、離婚して幼稚園児の娘を自分一人で育てていた。ある日、事務所に戻ると、チャリティーが老人と話し込んでいた。紹介された老人は彼女の父親だった。医師を引退して久しいとの事だった。娘をよろしくと言われた。どこでも父親が娘を思いやるのは変わらないことだった。

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by nshimaafrica | 2012-08-11 14:29 | 1986年-Malawi | Comments(0)


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