思いがけないことは、気がつかないうちに記憶に焼き付けられるようだ。
三十数年も前の大学1年の夏、同級生の3人で北海道を2週間回った。稚内駅だったと思うが、駅の近くから歩ける距離にある高台のキャンプ場でテントを張り、夕食の準備をしていた。辺りは次第に薄暗くなり、御飯をよそって食べ始めた頃、麓から欧米系の若い旅行者がザックを背にしながら一人登ってきた。横目で見ていると、若者はテントを張るわけでもわけでもなく、すぐにスーパーで買ってきたらしい食パンをビニール袋から取り出した。
さらに、マグロか何か、紛れもない「刺身」を取り出し、それを食パンの上に並べた。醤油をかけるわけでもなく、大口を開け、刺身をはさんだサンドウィッチにかぶりついて食べ始めた。
刺身のサンドウィッチを見たのは、その時が初めてだったが、それ以降一度も見たことがない
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