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2017年 07月 04日

丸山健二「薔薇のざわめき」を思い出して

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丸山健二の短編で約40年くらい前、「薔薇のざわめき」という作品があった。
一二度しか読んでいない昔の記憶を思い出して書いている。それほど印象的だった。
ストーリーの流れは、結構シンプル。初老の男が公園にやってきてベンチに座り、
配達されるであろう雇用の通知みたいな、とにかく連絡を待つ本人の心象風景が描かれている。

その小説を読んだのは、学生の時だった。だが、ある違和感を覚えた。主人公は初老であるはずなのに、
心の中の動きがあまりにも力強く、煮えたぎっているのだ。まるで二十歳前後の若者のようなのだ。
果たして、そんな気持ちを持ちうる「初老」の男が小説とはいえ、存在しうるのだろうかと当時思った。
今、自分自身が小説のその初老の男の年齢に相当、もしくは確実に近づいている。

本人の気持ちだけが空回りする。最後までベンチがある公園を取り巻く事象に何の変化もない。
老いだけが、却って強烈に感じる。

映画を見るような描写だ。

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by nshimaafrica | 2017-07-04 11:28 | ★音楽、本、DVD


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