ふと口にした言葉

google mapから
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マラウイでのある責任者がふと口にした言葉が今でも忘れられない。日本人だ。その地位で働くのだからもちろんそれなりの実績を積み上げてきた人間である。だが、彼は決して思慮深くはない。
物事を抽象的に捉えるタイプではない。仕事を終えて一人暮らしにしては大き過ぎる借家へ帰ると、真っ先に卵と食べる実益を兼ねて飼う鶏たちの世話、それにゴルフが趣味だった。家族は日本へ残していた。

その彼が俺が働いていた施設の視察に久方ぶりにやってきた。一通り見終わった後、施設を取り囲む煉瓦塀のすぐ外側に掘立小屋を勝手に建てて警備係として生活する家族に気がついた。子供が裸足で地面に座り、炊事のために薪を燃やしていた。マラウイならどこでも普通に見られる光景だった。

「あの家族と俺たちは何が違うのだろう?、何も違わない。たまたま生まれた場所が違うだけだ」

そんな言葉が強く印象に残った。本人が考えたというより、どこからか仕入れてきた言動かもしれなかったが、
そんなことはどうでもよかった。正しいと思った。
ちょっとしたさじ加減で、違う場所に生まれ、目の前にあるような生活をしていたのかもしれない。
第三世界なら尚更それが露骨に感じる。あまりに日常に慣れすぎて想像力が欠落していたことに急に気づかされた。

いつの世も第三世界と言わずとも日本も含め、世界中であらゆる現象に不条理が満ち満ちている。
インターネットが世界中に普及するにつれ、皆が自分の立ち位置に気が付きだした。これは大きな変化。

・・急に思い出した。

自分自身にあのマラウイ人家族のようなたくましい生活力があるかと問われれば、甚だ疑問だ。

1998年


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by nshimaafrica | 2017-08-07 09:17 | 1986年-Malawi | Trackback | Comments(0)

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