東京の大学へ入学してすぐに「旅行が好き」みたいな同好会へ入った。
夏場はあちこちと貧乏旅行したが、冬になると何もすることがない。
と思っていたのは雪国の片田舎出身の俺だけだった。
年末はスキー場で年を越す予定などという都会出身者もいた。
それまで雪国で生まれながらスキー場でスキーなどしたかことがなかったのだ。
子供の頃、冬と言えば、貧弱な暖房の家の中で丸々と着ぶくれし、
外へ出るときは、底に稲わらを詰めたゴム長で歩き回っていた。
雪が積もり出すとガキどもは家の回りある坂を利用して、
かかとの上がる安物のスキー板で滑っていた。
転ぶたびにゴム長の中へ雪が入った。
大学1年の時に生まれて初めて長野の水上スキー場へ行った。
ゲレンデで滑る意味を知った。
もちろんすぐに滑れた。だが心の底から楽しめなかった。
旭川では娘のために近くのスキー場へ何度も行けたのは車が足がわりだったから。
残りの半分は義務感からだった。
もちろんそれなりに楽しかったが。
今、札幌市内に住んでスキー場へ近いのだが、全くその気にならない。お金もかかる。
街へ行けば、東南アジアや中国からの観光客を見る。
スキーをしに、ただ雪をみるために。
通り過ぎる分には雪も楽しいのかもしれない。
そのうち気が向いたら、ニセコと言わずとも「札幌国際」へでも行ってみよう。
最後にスキー場へ行ったのはニューメキシコ州だったから15年前になる。
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